テストマトリクスとは
はじめに
ソフトウェアテスト工程ではテスト結果を抜け漏れなくチェックすることが欠かせません。今回はテストケース手法として、テストマトリクスを活用する方法について解説します。
1. テストマトリクスとは
マトリクスとは、テストの全体像を表示し、テスト結果をキャプチャするためのフローグラフのノード数のサイズの正方形のテーブルです。
マトリクス上の各行と列はノードの名に対応しており、各セルは行ノードと連携している列ノードに対応したケースの名前です。
2. テストマトリクスが必要な理由
テストマトリクスは、主に下記の目的に使用できます。
・一連のテストを記録するには2つの基準の交点に基づいており、記入すると希望回数の場合が実施されたことを証明するものとして使用されます。
・入力データに対して実行されたテストの数をすばやく示します。
・欠陥が発生する特定の状況を特定するのに役立ちます。
・マトリックスが入力データで満たされると、テストケースが除外されていないことを確認するためのチェックリストとして機能します。
3. ソフトウェアテストにおけるテストマトリクスの利点と欠陥
利点:
・シンプル、簡潔。
・抜け漏れを避け、チェックが必要なすべてのケースをカバーできます。
・入力データに変更があった場合、テストケースを簡単に変更できます。
・環境で多くのエラーが発生する領域にテストを簡単に集中させることができます。
・複数の入力条件の組み合わせがある場合、複数のケースを簡単にテストできます。
欠陥:
・ケースが多すぎると混乱します。
・出力の表現の難しさが存在します。
・プロジェクトをよく知らないと混乱を招きます。
・観点が多いと混乱を招きます。
4. マトリックスの作成方法
テストマトリクスを作成するには、次のことを行う必要があります。
・テストするオブジェクトを行に配置します。
・列にテストケースを表示します。
・行と列を組み合わせて、テストするケースに優先順位(重み)を付けます。
なお、テスト時に使用されるマトリックスファイル構造には、関数リストと視点の組み合わせがあります
機能リストの入力データは縦に並べられ、視点は横に並べられます。
以下に機能リストと観点のサンプルをご紹介します。
機能リスト:
観点:
加重領域は、機能リストと視点を組み合わせたものです。
重みの記号は任意に指定できます。
上の図版に示されているように:
[●]の付いたボックスは、テストが必要なケースです。
[-]でマークされたセルは、必要に応じて追加のチェックを実行できるセルです。
[x]でマークされたセルは、テストされていないセルです。
マトリックスに重みを付ける際の注意点は、最も包括的なアプリケーションの整合性チェックを確実にするために、1つの領域に集中しない均一な分布を持つ必要があります。
結論:
一般的にテストケースを作成する時には、多くの要因の組み合わせによりさまざまな可能性を考慮する必要があります。時にはテストの抜け漏れが生じるケースも少なくありませんが、テストマトリクスを活用することでインスペクターが見逃したケースを最小限に抑えるだけでなく、時間、労力の節約にもつなげることができます。